加藤事務所作成
米国 ラバーエキスポ99取材レポート
平成11年9月27日
加藤事務所 加藤 進一
1.米国フロリダ州オーランド市にてゴム展示会である「ラバーエキスポ99」が1999年9月21日より23日まで開催された。ゴム関係の二年ぶりの大展示会である。
2. 出展社は約400社、 展示会参加者数は約7000人であり、全米よりゴム人が集まった。ゴム原材料とゴム機械メーカーの展示が多かった。
3.日本人は学生を含め約15名が参加した。
4.同時に1999年秋季ゴム学会も開催された。
5.ここ5年間の米国での好景気を反映し、豪華な作りのブースが目立った。
6.全米からゴム関係者が集まるため、この機会に、ゴム関係の協会の委員会、ゴム関係の技術セミナー、各原料メーカーのレセプション等が同時に行われた。
7.今回目立った展示は、 ゴムリサイクル関係の発表や会社の展示が、日本に比べて多い。学会でも20%ぐらいの発表は、ゴムリサイクル関係である。また、薬品のマスターバッチ(分散型ゴム薬品マスターバッチ)のメーカーが数多い。またゴム機械の中古再生、改造メーカーも数多く出展していた。
8.展示会開催中に何社かのゴム関係会社の買収、合併は発表され、当日になって、展示ブースが急遽 2社が1社に統合されるなど、米国らしいことが起こる。それも競争相手の会社が、相手の会社を買収している。
9.展示会に合わせ、毎日3日間、RUBBER & PLASTIC NEWSの現地版が発行され、展示会の様子が記事となり、参加者に無料で配られる。
10.インド、東南アジアからの出展も結構有った。
11.学会の発表は、今年はノンタイヤゴムの発表の年であるが、あまり目新しい発表はなかったように思える。 RUBBER & PLASTIC NEWS社のNOGA編集長の講演「ゴルフ接待での時代は終わった」( 原材料メーカーとゴム会社、または ゴム会社とその客先 が、 ゴルフ接待をしながら、友好関係を築き 商売を決めていくやり方。そんなやり方は、もう通用しない。これからは、世界はグローバルになってきており、世界中の競合メーカーと、価格競争となる、大競争時代に突入した。一に、二に価格だ。ゴルフ接待などでは、客は繋ぎ止められない。 という趣旨)に私は結構 共感をおぼえた。
また、BAYER社の講演で、ゴム業界における E―COMMERCE (電子商取引) の紹介に、時代を感じた。ただ、ゴム業界では、まだ本格的な電子商取引は、まだ始まっておらず、GM、FORDと部品メーカーで一部の電子商取引が始まったばかり。(チェーンサプライの取り組みで、注文、在庫量、出荷データを共有する)これから数年で伸びてくるようだ。BAYER社の狙いは、ポリマー、薬品の注文を電子商取引を受け付けるというもの。
12.日本人がブースで説明していた出展社は、イノアック、ダイキン工業、モリヤマ、松田製作所。特にダイキン工業は今年から大きなブースでフッ素ゴムを盛んに宣伝していた。
13.機械ではインジェクションはヨーロッパのメーカーが多く、プレスと混練り機械は米国のメーカーが多い。 離型剤メーカーがやたらに多い。
14.同業競合メーカー間での人の移動(転職)が多く、それらの人がこの展示会に参加するため、この展示会はいわば業界の同窓会のようなものでもある。
15.展示会の様子の写真はこちらにあります。クリックしてください。