加藤事務所 報告書

ゴムリサイクルに関する最近の状況をご説明いたします。1998年末現在
A.最近の状況
1)タイヤリサイクルゴムを最大10%使用した乗用車用タイヤをミシュラン社が1998年から米国で生産開始する。1999年モデル フォード車に使われる。ミシュラン社はこの件を発表する予定。コンチネンタルタイヤ/ジェネラルタイヤ社もまもなく同様のタイヤを生産する。カナダのウィンスター社では5%タイヤリサイクルゴムをいれたタイヤの発売を開始。オーストラリアでは50%タイヤリサイクルゴム入りのレトレッドが使用されている。北米ではミシュラン社の認定を受けたゴム粉供給メーカーが2社以上あり、ミシュラン社を初めタイヤメーカー各社よりゴム粉供給の引き合いあり。

2)フォード社を中心に自動車メーカーよりリサイクル原料を使用するようにと要請あり。
業界もその使用のプログラムを求められている。日本ではトヨタ自動車が関心を持っている。

3)一方日本ではリサイクルゴムの需要が少ないが、廃タイヤ処分問題、エコロジー、脱石油の流れを考えると、この問題の根本的な解決のためには廃タイヤのゴムを新品タイヤ のゴムコンパウンドの一部に使うことが必要。もうその時期にきていると思われる。

4)しかしタイヤを粉砕しただけのゴム粉を混入しただけではタイヤの必要物性が維持できない。

5)日本ではこの分野で優れた技術がまだ開発されていないように思われる。

6)最近欧米ではゴムリサイクルの技術が活発に開発され発表されている。
タイヤにタイヤリサイクルのゴム粉を入れたり、シリコーンゴムや自動車窓枠用EPDMのスクラップ品の再生使用がすでに産業界で実績あり。

B.加藤事務所での欧米よりのゴムリサイクルの技術の紹介(以下のとおり)

C.では現在どのような技術(材料)があるのか?

1)タイヤゴムの粉砕品  10−30メッシュ品(機械粉砕)
日本国内数社、米国に20数社、欧州に数社、アジアに数社供給メーカーあり。またその 粉砕機械メーカー(米国中心)の売り込みも多い。
 しかし50メッシュより粗い単にタイヤゴムを粉砕したものだけではタイヤ物性が大幅 に低下してしまい使えない。またゴム加硫に精通したメーカーが非常に少ない。

2)タイヤゴムの粉砕品  50−200メッシュ品(冷凍粉砕)
日本国内2社、北米に3社、欧州に数社供給メーカーあり。50メッシュより細かい粒子 であればタイヤコンパウンドに混ぜられる。冷凍粉砕品のほうが表面形状がよく未加硫ゴ ムによく混ざる。日本品は冷凍に使う液体窒素が高いので割高となる。
また、水中粉砕による微粉粉砕(200−500メッシュ)も開発されているが、商業生産化は未定。

3)タイヤゴムの処理品リサイクルゴム

3−1)再生ゴム
かつてはタイヤに25%も入れていたが、高熱分解処理し、オイルを多量にいれるため物性があまりよくない。しかしアジア品は今、割安。インドネシア品が推薦できる。他にメーカーとして日本には村岡ゴムミサワ東洋早川ゴム、アサヒ再生ゴム、大栄護謨、石本ゴム工業所、米国ではUS RECLAIM RUBBER社、欧州ではオランダVredestein Rubber Recycling社がある。

3−2)機械、化学処理品
ゴム粉に少量の特殊薬品をいれてロール等で比較的低温で練ったもの。脱硫が進み、未加硫ゴムに戻る。米国ハーモニー社(生産はマレーシア)のTBタイヤ(天然ゴムベース)タイヤリサイクルゴム82〜55%と天然ゴムリサイクルゴム18〜45%のブレンド品 MR−TCポリマーが推薦できる。本品はマレーシアでタイヤリトレッドに現在使用されている。

3−3)熱処理品
加硫ゴムを特殊熱処理し、未加硫状態にもどす処理技術。米国T社が再生処理を請け負っている。過去10年以上の実績あり。日米間の輸送費と処理コストを考えるとEPDM,シリコンゴム、フッ素ゴムの再生が中心になる。

3−4)化学処理品
DE-LINKと呼ばれ加硫促進剤系をもちいて加硫を戻す。だたしその実績と効果は不明。

3−5)コーティング処理品
米国ラバーリサーチエラストマー社ではタイヤリサイクルゴム粉に液体ポリオクテナマ−ゴムを特殊コーティングしたTIRECYCLERを発売中。テストデータがそろっている。
またオランダ コーニングス社ではタイヤリサイクルゴム粉に特殊接着剤をコーティングした活性化ゴム(KRT-SAR)を生産する技術を開発、販売中である。

3−6)超音波処理品
ゴム粉に強力な超音波をかけるとゴム中の気泡が振動しまわりゴムの加硫ネットが切れる。現在アクロン大学で開発中。大きな超音波発生装置がネックで商業生産にはあと3−4年以上はかかる。

3−7)電磁波処理品
グッドイヤ−社にて電磁波を使いタイヤトレッド、EPDMホース、ブチルタイヤブラダーの再生(脱硫)を研究中。商業化にはかなり時間がかかる。

3−8)その他
特殊押し出し機にてゴム粉を粉砕し表面をカリフラワ−状にする。これにより新ゴムに混ぜたときにはぶつぶつが出来ずらい(Northwestern 大学)


4.加藤事務所が注目しているゴムリサイクル技術
上記の技術のほかに
1.加硫済EPDMを特殊ゴム薬品(脂肪酸系)により、再生し、未加硫ゴムにもどす。(Harmony社)
2.シリコーンゴムのバリを熱圧力で未加硫シリコーンゴムコンパウンドに戻す。(米国ゴム再生専業T社で10年以上の再生実績あり。すでに商業生産化されている。再生後も配合系は変わらない)

これらの技術に御興味のある方は 加藤事務所E-メール kato0001@ba2.so-net.ne.jp
までご連絡ください。またはお問い合わせのページへ

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